コロナウィルスの今、どう自分と周りの人をケアするか?
皆さん、新型コロナ感染症の流行が更に激しくなっている中、どのようにお過ごしでしょうか? 人によって反応は様々かと思いますが、多かれ少なかれ、ある程度の不安や恐れを感じながら、過ごしているのではないでしょうか。また、毎日、ちょっと悲しいような気分がうっすらと頭のどこかにあったり、悲しい気持ちがいきなり襲ってきたり、という方もいるかもしれません。また、いつもよりも、やる気がない、疲れが取れない、眠りが悪い、などと感じている方もいらっしゃるかもしれません。
今の状況は、急激な変化をもたらす、トラウマのようではありませんが、精神、感情、そして身体への影響は決して小さいものではないと思います。
喪失という視点から
今まで出来ていたことが、出来なくなっている、前は当たり前だと思っていたことが、出来ないということは、ある意味で、喪失です。今までのように、友達と気軽に会えない、楽しみにしていたイベントがなくなってしまった、気軽に外に出られない、また、離れている家族に会えない、仕事を失った、学校に行けないなど、一つ一つは小さいことのように思えても、たくさんの変化が重なれば、それだけストレスも大きくなるのです。
喪失に面した時に、人によって反応は違いますが、ある一つのモデルでは、このようなサイクルが伴われると言っています。否認ー怒りー取引ー抑うつー受容
否認とは、喪失が起こった時に、ショックを抑えるために、私たちの自己防衛が働いて、現実を受け入れないという機能が無意識に働きます。「まさかこんな事はないだろう」とか「これは長くは続かないだろう」「自分は大丈夫」などの思いが湧きます。その後、だんだん今の状況が変わらないことがわかり始めると、怒りを感じ始めます。そして、なんとか元の状態に戻そうと頑張ります。「こうすれば、元の生活に戻れるかもしれない」などと自分に言い聞かせたりします。それでも状況は変わらないと気づいていく時に、抑うつに変わっていきます。何をしても変わらないと気づき、落ち込みます。しかし、少しずつ現状に慣れてきて、今の状況でどのように生きて行けるか、また、今の状況の利点、新しく発見した楽しみなども生まれ、新しい希望が与えられ、前に進んでいくことが出来るようになります。
なので、今、自分がどのような状態にいるのか、現状にどのように反応しているのか、見つめることが大切です。そして、今の状況を受け入れ、悲しい時、辛い時は、回避せずに、悲しい、辛い、と正直に認めるようにすることが大切です。また、そういう気持ちを友達や家族と分かち合うことも大切です。その上で、どのように今の状況を受け入れ、適応していけるかを考えていきましょう。自由が制限されることからくるストレス
今の生活の中で、自由が制限され、ストレスを感じている方も多いのではないでしょうか?
今の状況を見つめ、悲しんだ後に、今、良い意味で何が自分のコントロール内にあるか考えてみましょう。例えば、自分で予定を立てることは、ある程度コントロールがあります。自分のの毎日の生活に何か楽しみに出来ることを一つ取り入れる。ジムには行けないけど、室内で出来る運動をしてみる。カフェやレストランには行けないけど、新しいレシピを家で試してみる。友達と出かける事は出来ないけど、スカイプなどでランチを一緒にする。ある意味、今だからこそ出来ることを、想像力を働かせて考える良い機会として受け止めることが出来ます。それを実践していく中で、新しい意味での自由を体験出来ます。
また、近い将来も、わからないことがたくさんある中で、不安を感じている人も少なくないでしょう。自分の生活に秩序を与え、計画性を持ちましょう。未知のことが多い中で、少しでも自分が予期出来る生活習慣を持ち、枠組みの中で、安心して生活できることで、不安が軽減されてくと思います。 また、ストレスとうまく付き合っていくために出来る事はたくさんあります。ヨガをしたり、呼吸法を用いたりすると、リラックスすることが出来ま感謝することからの祝福
聖書には、「感謝しなさい」という言葉がたくさん出てきます。これは、神様がまさに私たちの体を造ってくださったことがわかります。感謝する事で、ホルモンバランスが整えられたり、脳と心臓と神経の繋がりが強化されて心拍数なども整えられること、また、IgA抗体と呼ばれる病原菌から体を守る抗体が増加し、体の免疫機能が高まるなどということが、研究で証明されています。今、失われているものを考えて、悲しむ時と同時に、そのことがいかに、大切だったのかが改めてわかります。それが与えられていたことを感謝しましょう。また、今現在、与えられているものを、改めて考え、日々感謝することによって、体のバランスも整えられ、ストレスや不安などの解消にも繋がっていくと思います。
永遠とういう視点から
最後に、私は、クリスチャンなので、永遠という視点から見てみたいと思います。私はこの世界を創造しくださった唯一の神様を信じています。何事も、この世界を創造された神様にとっては、驚きではなく、偶然でもありません。変化が多い今の時でも、神様の変わらない愛に信頼出来ます。また、私たちには将来はわかりませんが、神様には全てが見えていて、私たちを導いてくださるという事実に、安心を覚えることが出来るのです。私たちに、コントロール出来る事は限られていますが、神様は全てのことをコントロールしてくださっていて、愛を持ってこの世界を治めてくださっています。ここに、私たちは平安と希望を見いだすことが出来、自分に与えられた道を神様と共に歩んでいくことが出来るのです。
「私たちの一時の軽い苦難はそれとは比べものにならないほど重い永遠の栄光を、私たちにもたらすのです。私たちは見えるものにではなく、見えないものに目を止めます。見えるものは一時的であり、見えないものは永遠に続くからです」(第二コリント人への手紙4:17&18)